北海道のほぼ中央、石狩川の最大支川である空知川の流れとエルムの山々に囲まれた赤平市は、「元気なモノづくり中小企業300社」(中小企業庁)にこれまでに4社が選ばれるなど、優良企業が集まるまちである。最近では、植松電機等によるCAMUIロケットの開発も注目を集めた。
赤平市は、炭鉱全盛時から工業団地に道内外の企業を誘致し、多くの工場が操業していた。
炭鉱閉山後は市内の産業と雇用を守ろうと、ポスト石炭への転換を図った。
平成6年からまちをあげて取り組んだ胡蝶蘭(コチョウラン)の栽培は、今では道内一の規模と出荷量を誇り、道内最大規模の「らんフェスタ赤平」が開催されるなど、石炭の黒から、色とりどりのあざやかなイメージの転換にも成功した。
米などの食料品とともに、赤平製紙のエリエール保湿ティシューペーパー、武藤工業の木製玩具、いたがきのタンニンなめし革製品、赤平オーキッドの胡蝶蘭(コチョウラン)、エースラゲージの軽くて丈夫なスーツケース。ふるさと納税の返礼品はオール赤平産。品質の高い製品が豊富にあり、優良企業が集まるまちの本領発揮!多くの反響を呼んだ。
市内に企業と働く場があることを強みに、「仕事が人を呼び込み、まちをつくる」という考えの下、産業振興人財育成事業や、市内の若手技術者等が業種を越えて研修を深める「あかびら匠塾」など、官民一体でモノづくりの技術向上と人材育成に取り組んでいる。さらに、子どもにはものづくり体験会やPR活動を通じて、将来の技術者育成・技術継承にも力を注いでいる。
市内には操業中の工場とともに炭鉱遺産も多く残り、平成30年夏には、旧住友赤平炭鉱立坑のガイドツアー体験や赤平の炭鉱の歴史を知ることができるガイダンス施設がオープン予定。新旧の技術と暮らしに触れることができるまちである。
食の炭鉱遺産・赤平がんがん鍋。豚ホルモンと豆腐・野菜の味噌煮込み(画像提供:赤平市)
赤平の新ご当地グルメ・あかびらホットレッグ。パリパリジューシーで市内外のイベントでも人気(画像提供:赤平市)